2011年11月 9日 (水)

十六歳

ただ二人を守るために
少女は嘘をついてきた
すぐばれる嘘は
少年がすぐに見つけた


こんなにもか細い小さな
愛情を尊び勇んでも
大人の持つ鉄球で
それは粉々に砕かれる
欠片を集めてまた尊いものに変える作業は
実に大きなエネルギーが必要で
それでも嘘つきな彼女は
何度でも
至難の技をやり遂げた

満月
少女の美しい顔は暴力で歪み
彼は優しくそれをお湯で撫でた
水音だけが響く裸の夜に
彼の後悔だけが滲んだ

ゴメンネ君を嘘つきにさせたのは僕だね
赤い傷が消える前に僕は
懺悔を報いを受けるから


イイエ私は大丈夫なの
いつだって何でもない顔ができるわ
あなたの後悔にも値しないから
明日にでも鎖を切って
逃げようかな

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2011年10月18日 (火)

ローテンションランナー

例えば珍しい鳥が鳴いて
いつもの時間を
それはアカデミックに
伝えたとしても


私は普段よりも
努力はしないと思うしね


いつもどこかしら寒くて
痛いお腹を抱えたまま

四角い電話を重く抱えるよ

砂がたまってく、


君が醜く笑う夢をみたんだ
消去法
そこに愛なんかないし
削がれたものも
夢だもん、そこには
いないんだし


ひたすら睫毛を伏せるから
影落とす黒に
染められるだけの昼間

走るために腰下ろす事で
ゆく道のりを狭めてる


心ない人と
一緒になるのか


私は今、知ったかぶりの君に
聞いてみたい事が一杯で
走り出す

訳知り顔の君に会いたくて

花の一輪、
散るスピードをだすよ
そこにいて

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2011年10月 4日 (火)

支配

選ぶ道が閉ざされた
円形に近い十字路
重なって出来た枠
そのどこにも
あなたはいない


もう一度目が覚めたら
もう一度だけ呼んでみる
諦めを含ませた願いの方が
叶った時により輝くから
ああ

どこに寄り添っても
黒い手は先回りするのですね

あなたはもう
握り潰されたの?


小さなステップを踏むように
どこにも逃げ出せない僕
逃げようとする心ごと

その支配の中で

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2011年9月18日 (日)

燦々

手を離す気はなかったのに
それは消えていた
この手がつかんでいたものは
虚空だったのかと


感触はあったとは
言えないもののような気もして
それならやはり
光の加減で消えてしまうような
そんなものを
掴んだつもりになっていたのかも知れない


残された体温に
何かを確かめる術はなく
ただズルズルと消さない
自分だけの余韻


存在しなくとも
そこにあった事実は存在する

諦める方法はあるんだ
頑ななその胸を開けろ

音もなく消えていったそれは
もう永遠に戻ることは
ないでしょう

知っていて
手を伸ばす
虚空を掴み
それでも
それでもと


何一つ武器を持たない私に

遠くから糸車の音がする

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2011年9月 2日 (金)

素性

一人は寂しい
誰かが欲しい
でも
誰でもいい訳じゃなく
頭で選ぶ


あなたを選ぶ
そんなこと考えてるうちは
本当に寂しい訳じゃないのかもしれない


器用になれないから
それはとてもなりずらい事だから


あの時を忘れられない
私がまだ存在する


一人は寂しい
あなたなしじゃ
誰といても一人だから

そんな酷い私だから

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2011年7月27日 (水)

夢が刺す

目を閉じて眠る夢に
君が出てきたから、僕は
覚めないでと抵抗した
そんな暗い朝だった


あの頃愛しくてたまらなかった君の色々が
新しい剣になって
僕の心臓を刺す

血が出ない痛みこそ
目に見えない愛の形
思うより深いその
鮮やかな記憶


君が好きだよ
そう言える僕がもう
居ないだけで
思いは残ってる
ねえ思い出してよ


二人なら嘘泣きだって楽しかったこと
幼稚なゴッコも
二人ならと


ねえ思い出してよ
深く夢は僕を殺すから

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2011年5月30日 (月)

深海

名前を消して誰もが
沈みたくない綺麗な世界に
今夜行き着いてしまう

私は落とし物を見つけたくて
ただ垂れ下がる救いの樹に
いつまでも気が付かなかった


時間も波に蝕まれ、消えた
この傷もいつか
消えるでしょうか

やっと掴んだ樹の破片は
驚くほど残酷に静かで
また私は自ら蹴落とされ
ここへ、沈む


泡と光が私を生かし
残った記憶が私を殺す


いずれも碧に交ざりあい
誰も知らない。

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2011年3月19日 (土)

ばたつかない足
枷はとうに外れているのに

立ち上がるも
じっとして待つことも

それは勇気がいるから

狭い場所で1人
あなたの頭を撫でているのそしてここに
要らないものが入らないように
見張っていなくちゃ


春が来る窓辺はさみしくてあるく足が浚われる


守るものが出来たから
恐れないスイッチをすぐに入れて私はここに


なんども間違えたのを一つずつ掌に載せて学習


束ねた鋭利な黒髪は鴉
威嚇にはちょうどいい嘴


待っていなね

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2011年1月15日 (土)

一対の恋人

指をゆっくりほどいた日の胸の中の傷は

今互いに誰かにそれを見せて
うまく昇華できていれば
いいなあなんて思って
タバコに火をつけたよる

あなたとあたしの素晴らしさは
何度も空気になりかけて
そしてまた胸に孵るの


さよならなのね
あんなに抱き締めあっても私たちの終わりはここなのね

二人が血を流してまで
取っ払おうとしていた
有刺鉄線は
赤く染まっても
強すぎて壊せなかったから

あたしたち幸せだったね
幸せだったね

幸せだったのにね。

あたしの血をあなたの涙に混ぜて最後に手をつなごう


あなたはあなたしかいないんだ
だからあたしもあたしだけなんだ


手当てが済んだらあなたの場所へ帰ってね
あたしも傷を抱いたまま
帰路につく

別々の道でも帰路があるって幸せだね。


雪は足枷のように深く
ただ一対の恋人の別れを
重く綺麗にさせる


7つ歩いて振り向いたら
あなたの背中がとおくに見えたんだ。


最後に見えたんだよ

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2011年1月13日 (木)

最後の聖戦

アナタワタシで
最後の愛が
どれだけ息を持つか
知りたかった


あの冬ワタシはアナタの手を握り
アナタはワタシの魂にキスをした

笑えるほどどうにかなりそうな二人は
崖の上でたた突風にあおられていた


生きているワタシとアナタの
最後の闘い
掴んだ手を固く結んで
二人だけの道を、行こうと

いつか嘘も本当になる世界で
笑いあえるように。

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