十六歳
ただ二人を守るために
少女は嘘をついてきた
すぐばれる嘘は
少年がすぐに見つけた
こんなにもか細い小さな
愛情を尊び勇んでも
大人の持つ鉄球で
それは粉々に砕かれる
欠片を集めてまた尊いものに変える作業は
実に大きなエネルギーが必要で
それでも嘘つきな彼女は
何度でも
至難の技をやり遂げた
満月
少女の美しい顔は暴力で歪み
彼は優しくそれをお湯で撫でた
水音だけが響く裸の夜に
彼の後悔だけが滲んだ
ゴメンネ君を嘘つきにさせたのは僕だね
赤い傷が消える前に僕は
懺悔を報いを受けるから
イイエ私は大丈夫なの
いつだって何でもない顔ができるわ
あなたの後悔にも値しないから
明日にでも鎖を切って
逃げようかな
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